感染症撲滅に向けた日本の歩み

1930~40年代、日本は結核、マラリア、住血吸虫症、
土壌伝播寄生虫症などの寄生虫病の感染率が
非常に
高く、死亡者も多く、大きな問題を抱えていた。

それらの疾患撲滅へ向け、行政・医療従事者・
研究者・地域住民が一丸となり問題解決に取り組み、
1960~70年代には、世界に先駆けて
主な疾患の撲滅に成功した。

戦後わずか10年で高度経済成長を迎えた日本の復興は
「奇跡の復興」とも呼ばれ世界を驚かせた。
その復興に大きく貢献した日本の公衆衛生活動、
疾患撲滅の経験や技術は、1970年代以降、
世界へと舞台を変え、
アジア・アフリカを始めとする
多くの国・地域へと受け継がれていくこととなった。

さらに1990年代以降、日本発のグローバルヘルス
イニシアティブが次々に発表された。

そして2013年、GHIT Fundが設立され、

世界の感染症撲滅に向けて、日々、
日本の技術・
イノベーションを活かした
新たな製品開発が行われている。

感染症撲滅に向けて日本の歩みは、
今もなお色褪せることなく、
世界に大きな影響を与えている。

1930

1930年
日本国民の死亡原因第一位:結核 死亡25万人、感染者150万人

1945

1945年
日本国民の70%が土壌伝播寄生虫に感染 戦地引き上げ、マラリア40万人

1948

1948年
ペニシリン(碧素)の自国生産開始 感染症による死亡率の低下

1949

1949年
ストレプトマイシンンの医療用実用化 結核の死亡率激減

1950

1950年
回虫症とフィラリア症治療への日本製医薬品スパトニンの製造販売

1951

1951年
結核予防会設立

1955

1955年
日本寄生虫予防会設立
1955年
水道法公布

1958

1958年
国民皆保険制度完成
1958年
学校保健法公布

1961

1961年
国内マラリア撲滅

1965

1965年
沖縄にて寄生虫ゼロ作成実施

1973

1973年
北里大学大村智氏、エバーメクチンを生産する放射菌ストレプトミセス・アベルメクチニウスを発見
後のノーベル賞受賞受賞につながる

1974

1974年
アジア寄生虫予防機構設立

1977

1977年
国内住血吸虫症撲滅

1978

1978年
国内リンパ系フィラリア撲滅

1980

1980年
世界天然痘撲滅

1989

1989年
日本政府、ギニア虫症撲滅のため西アフリカを中心に8年間で100億円規模の無償式協力実施

1996

1996年
土壌伝播感染症国内感染率0.01%達成

2000

2000年
国際寄生虫対策アジアセンター/タイ

2001

2001年
東南アフリカ国際寄生虫対策センター/ナイロビ、ケニア中央医学研究所

2004

2004年
国際寄生虫対策西アフリカセンター設立/アクラ・ガーナ、野口記念医学研究所

2012

2012.7

2012年7月
GHIT Fund設立準備委員会が設置される

2013

2013.2

2013年2月
中東呼吸器症候群(MERS)がサウジアラビアを中心に発生

2013.4

2013年4月
スクリーニングプログラム開始
2013年4月
世界初となるグローバルヘルスR&Dに特化した基金、GHIT Fundが始動
外務省、厚生労働省、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、アステラス、エーザイ、塩野義、第一三共、武田薬品が創設パートナーとして参画
2013年4月
製品開発プログラム開始
2013年4月
ビル&メリンダ・ゲイツ財団主催のDevelopment Forumに登壇

2013.5

2013年5月
WHO総会サイドイベントにて、DNDiとMMVとともにGHIT Fundの設立記念イベントを開催
2013年5月
Financial Times
Japan in pioneering partnerships to fund global health research
2013年5月
国際保健外交戦略策定

2014

2014.1

2014年1月
ピーターピオット氏、マヒドン皇太子賞受賞

2014.3

2014年3月
ヒット・トゥ・リードプログラム開始
2014年3月
累積投資額 19.1億円
2014年3月
累積投資案件数 28件
(継続投資案件の重複を含む)

2014.6

2014年6月
一般社団法人から公益社団法人へ移行
2014年6月
GHIT Fund Annual Partners Meeting 2014開催

2014.8

2014年8月
第1回プロポーザル作成セミナー開催 (東京大学)
2014年8月
日本で70年ぶりとなるデング熱の国内発生が報告
感染者(都内)108名

2015

2015.2

2015年2月
標的研究プログラム開始

2015.3

2015年3月
累積投資額 46.1億円
2015年3月
累積投資案件数 45件
(継続投資案件の重複を含む)

2015.4

2015年4月
第3回プロポーザル作成セミナー開催(大阪)

2015.4

2015年4月
京都で開催されたWorld Health Summit Regional Meetingにて、日本の民間企業のグローバルヘルスR&Dへの貢献を発信
2015年4月
Forbes
Investing In Drugs That Won't Make Money

2016

2016.2

2016年2月
中南米でジカ熱の流行が発生
2016年2月に世界保健機関から「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」が宣言される
2016年2月
Finacial Times
Zika threat demands a global response
2016年2月
第4回プロポーザル作成セミナー開催(東京大学)
2016年2月
青少年の結核感染を予防するホールセル追加免疫ワクチンDAR-901 (第2相試験開始)

2016.3

2016年3月
累積投資額 63.7億円
2016年3月
累積投資案件数 69件
(継続投資案件の重複を含む)

2017

2017.2

2017年2月
第6回プロポーザル作成セミナー開催(大阪大学)

2017.3

2017年3月
累積投資額 98.6億円
2017年3月
累積投資案件数 81件
(継続投資案件の重複を含む)